若松観音
若松観音
 十一月二十五日、東通り巡礼十日の三つ目を以て三十三番、鈴立山若松寺。古参道には風も通わず、谷川の澄んだ響きがひときわ寒々... 坂道を足早に過ぎて石段を上り尽くせば観音堂。たまたま人影疎らな時分、御堂の内に座して掌を合わせる... 資料に拠れば三十三番は若松観音の如法堂。現在の若松寺本坊の事だが、東通りの観世音も本堂の御本尊で良いとか。御詠歌、何事も如法に叶う寺なれば 老いも若きも願わぬはなし...
 六月下旬から始めた東通り三十三観音。朱印を求めず淡泊に回ったつもりが、五か月もかかってしまった... 観音堂があった札所は、強引に数えても十四か所。或いは御寺の本堂に安置された札所本尊では、留守に当たらぬ限り何処も、観世音を直接拝する事が出来た... 望外にも参拝をお許し頂いた青柳邸を始め、公民館や御寺の近隣で話をお聞きした方々、もちろん札所でお会いした皆様、多くの善知識に導かれての巡礼だった...
        《最上三十三観音 一番》→ 二番 千手院
三十二番 聴流寺 ←《東通り三十三観音 三十三番》        
■縁起に拠ると若松寺の如法堂は、貞観年間に中興慈覚大師によって建立されたと伝える。同じ時期に設けられた福性院と共に、隔月月番で観世音に奉仕したと云う。 昭和二十七年、如法堂は福性院を合併して本坊となる。最上氏時代から別当職を務めた来吽院に代わり、本坊が若松寺を管理する体制になった。

2015-12-04

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106