太郎田観音 附 亀割峠
最上駅---太郎田観音---川の駅もがみ---亀割峠---休場判官神社---新庄駅
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湿っぽい雲の隙き間に青空が覗き始めた。しばらく国道のままに西へ向かう。大型トラックが走り抜けて行く度に、ほこりっぽい強風をぶつけられる。その上、小国川に釣り人の長竿を眺める頃、歩道が無くなってしまった...
神妙にも鋼鉄の洞門で車両がぱったりと止む。立派な滝があると思ったら、そう云えば発電所だった。道路工事に右往左往し、温泉街に寄らぬまま亀割観音。頭上は晴れ上がった...
寛政の巡礼記の一行は、瀬見に一泊した後で亀割峠を越えた。しかし峠に関しては「大山也」のみで、遠回りでも川下りで舟形を経由した方が良いと記す。言葉も無いほど難儀だったと云う事か...
現代の徒歩巡礼では亀割バイパス経由で新庄に入るのが穏当。亀割峠越えは全行程中最大の難所となる。もし雨が降り続けていれば、素直に国道を辿るつもりだった...
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おにぎり一個飲み込んで、亀割観音の裏手の線路を渡る。直ちに急坂。刈り払いから日が経っていない様子だった。山道の方が舗装路より足は軽い。沢水で手を冷やしたら奥の院。苔むす岩に触れると、ふっと蝉も鳴き止む...
南面が開けた峠からは瀬見温泉が小さく見える。雲に遮られて遠望効かず、西の長沢あたりで小国川が光るのみ。更に西の雲行き怪しく、菅笠の緒を締め直した処で雨粒の音...
新庄側は一転、急激に下る。逃亡中の義経一行は必死でも、戸沢の殿様までよくこんな坂を登ったものだ。最上側よりは草が茂り、小さな陥没地などもあって注意を要す。垣間見える雨雲はほの暗い...
林道に飛び出して弁慶の清水あり。通り雨を大樹の許でやり過ごす度に、空が明るくなってゆく。休場の家々を巡る水路は渾々、広がる美田青々として二羽の鷺が佇む。ひと山越えてきた甲斐があった...
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御詠歌、深山路や桧原松原わけ行けば 太郎田にこそ駒ぞいさめる。次は新庄駅から、三十三番の庭月へ。
2014-08-22
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TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106