浄雲寺観音 2013-07-09
浄雲寺観音
 七月九日。最上新西国三十番の浄雲寺。午前中に寄ったら法要の最中だった。出直して小松沢より後になり、今回の実質的な打ち納め... 六田観音堂から発して街道を北へ。すぐ橋を越え、すぐ見落とし必至の小径を当てれば、ずっと奥に御寺が見える。見落としても本堂裏手の広い駐車場に行ける事は、着いてみるまで知らなかった... 参拝の旨を告げて本堂に入る。御寺では、最上新西国との言葉は聞かずとも「三十番の観音さま」と承知して居られた。昔は御堂もあったとか。札所の観世音は堂内左側... 聖観音の立像が小さな宮殿様の厨子に納められてある。観音講の奉納物や、さりげなくむかさり絵馬。地元に根付いた祈りの場である気配が窺えた。頭上の額に描かれた三十三観音画は、最上三十三観音のよう...
これでひと通り、最上新西国三十三観音巡礼を終えた。札所本尊を本堂に安置する寺院は八か所あったが、観音堂も二十三か所と案外に多い。また浄土宗の寺院が十八か所も含まれる。 「最上新西国」と明記されたものが残る所は少なく、漆山浄土院のように「山形新西国」を加えても六か所足らず。「新西国」とのみ記して御詠歌などが合致するのは五か所。 ほとんどの札所で最上新西国巡礼の事は伝わっていないが、創設年や経緯などは、まだ少し調べる余地がある... 朱印収集を目的とするなら散々な結果となろうから一切勧めない。或いは参拝だけでも、巡礼拒否の寺にあっては門前にて黙と合掌するより無いだろう... やみくもに霊場復活を求める意図も無い。昔に記録された道を、今に訪ねて書き留めるのみ。道は人の記憶から消えかけているが、多くの観世音はそれぞれ、檀信徒や身近な人々によって静かに護持されていた... 何処の幾度の巡礼であれ終いは清々しく、やや名残惜しくもある哉。そうして間もなく次が始まる...
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2013-07-17

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106