赤湯観音
赤湯観音 置賜第十二番
七月三十一日
長谷観音 ── 三間通 ── 二色根 ── 赤湯観音 東正寺(三日目終了)
 赤湯の図書館で涼んだ後、旅館街の細道を東正寺へ。怖じ気付く様な正大な石段も、観世音の鳥居まで上がると南に長閑な眺望を得る。 傍の石標に若松聖観世音菩薩。烏帽子山八幡は遥拝に留める ... 泰然と唐に千鳥の破風を乗せた観音堂。堂内は余計な物品を寄せ置かず、格天井の諸々の観音は取りどりに鮮やかな衣を着ける。 鈍光にじむ厨子に坐すは御寺所伝の観音像か。札所の観世音は、手前のごく小さな厨子の中に立っている ...
 東正寺の開山は、奥羽各地に曹洞禅普及の事跡を残した道叟道愛禅師。その東奥禅窟に川西の上小松から札所観世音が遷って来て、既に百二十余年を過ぎた。 巡り来たる人々の祈りは絶えず、また一人、微々たる心願を以て観世音に合掌す。 みなかみはいづくなるらんわかまつと きけばこころもさかりなるらん ... 墓域を辿って本堂の前に立つと、ようやく微風が追い付いてきた。本日はこれまでとして次回は、宮崎を経て米沢市へ ...
■長井市史編纂委員会『長井市史 第二巻 近世編』1982年
■後藤博『出羽百観音』1996年
■置賜日報社『置賜のお寺めぐり 3市5町の360寺総覧』2001年
■置賜民俗学会『置賜の民俗 第20号』2013年

2019-09-12

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106