上小松の若松観世音
上小松の若松観世音
七月三十一日
諏訪峠 ── 若松観世音 ── 諏訪神社
 十三の峠を繋いだ越後米沢街道の、米沢側から最初に越える峠が諏訪峠になる。 古道はあまり残っていない上に、現在の広い県道には峠道の雰囲気は無い。少々のっぺりと丘を越えてしまう ... かつて古道の通じていた頂には置賜第十二番の若松観音堂があったと云う。六尺四面の本堂と四間二間の籠堂。山は観音堂山と呼ばれていた。 創建したのは大庄屋も勤めた上小松の佐藤家。会津の若松山に所縁を持つ観世音を祀ったとされる ...
 尤も明治二十五年に札所観音は赤湯の東正寺へ遷り、当時の御堂は数年後に失われてしまったらしい。 後に御堂は麓の県道沿いに再建。大正時代の古い標柱が残してある。現在の御堂は平成の造立かも知れない ... 堂内を窺うと、大きくはないが見事な厨子が三つ並んでいる。中央は恐らく観世音。左右の厨子の小さな扁額を見ると、右は西国三十三所、左は遍照殿か。 御堂の古い写真が壁に掛けてある様だったが、よく見えなかった ...
■山形県文化財保護協会『山形県歴史の道調査報告書 越後街道』1981年
■長井市史編纂委員会『長井市史 第二巻 近世編』1982年
■後藤博『出羽百観音』1996年
■置賜日報社『置賜のお寺めぐり 3市5町の360寺総覧』2001年
■置賜民俗学会『置賜の民俗 第20号』2013年

2019-08-07

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106