置霊観音
置霊観音 置賜第十四番
七月三十一日
諏訪神社 ── 上小松 ── 置霊観音 (大光院)
 諏訪峠を越えたなら上小松の諏訪神社には寄らねばならぬ。御本殿のただならぬ威容は一見すべきよし。 他に参拝者の影は無く、二羽の鴉さえ前後揃えて歩む杉並木。立ちすくむ人間を見て駐車場の方へ去ってしまったが ... 羽前小松の街に入ると急に、コンビニがぽろぽろと見えてくるから恐ろしい。 適当にダリヤ園の方へ向かう途中、大光院の山門が現れる。当地屈指の大本堂を前衛する中門は、平時余人の為に開くほど甘くない ...
 新義真言宗の松光山大光院は、貞観元年に真済僧正による開山を伝える古刹。徳一上人ゆかりの地でもあるらしい。 本堂の南に札所の観音堂がある。御堂建立は寛保三年。さらりと片付いた堂内の一方、軒にぐるりと廻らせた大絵馬が賑わしい ... 聖観音の由来は詳らかならず、宮殿様の厨子に青みがかった髪の観世音が坐す。厨子の左右には如来や菩薩が並ぶ。 いついろのくものうちなるつきをみて こころはここにおいためのやま ...
 御堂の前は高度感こそ無いものの、盆地が気持ちよく見渡せる。この丘は飯豊山を目差す諸々の霊が集う端山、仏の山であると云う。 北の藤ヶ森、置賜公園の一隅に開山真済入定の地があり、御堂の西は広大な墓地。 郡頭地蔵堂も境内地と呼ぶには少々離れており、丘陵一帯が霊地の様相。ダリヤ園は別として ... 庫裡の玄関前に朱印一式が用意してあり、各自が取り出すの方式。次回に巡拝予定の第十五番、火の目観音の分も頂いた ...
■山形県文化財保護協会『山形県歴史の道調査報告書 越後街道』1981年
■長井市史編纂委員会『長井市史 第二巻 近世編』1982年
■後藤博『出羽百観音』1996年
■置賜日報社『置賜のお寺めぐり 3市5町の360寺総覧』2001年
■置賜民俗学会『置賜の民俗 第20号』2013年

2019-08-10

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106