菊田観音堂
菊田観音堂
七月三十一日
置霊観音 ── 下小松 ── 菊田観音堂
 大光院より北上、西の丘陵が終る頃、菊田地区に観音堂がある。入り口は街道に面しているのに、案外と気付きにくい。 先ずは飯豊山の碑。盛りを少し過ぎたあじさいの淡い紫は、傾斜のゆるい参道に似つかわしい気がした。御堂はすぐ其処に見えている ... 偶然にも地区の小さくない書籍で知った観音堂。菊田の鎮守と紹介した数頁の御陰で、立ち寄る機会を得た。 郷土史の編纂は大事、寸志ある閑人がいつか目にするかも知れない ...
 資料に拠れば本尊は三尺五寸の聖観音。明和四年、近傍の修験から現在地に遷して御堂を建てたと云う。 明治十三年の改築で御堂は東向きとなり、その後も地元で境内を整えてきたらしい。資料の通りなら七月は御祭礼だったはず ... 向拝の象の牙が長いと思いながらも、蜂が複数で厳重哨戒中のため手短かに参拝。 暗い堂内に黒光りする厨子。その隣の御詠歌らしき額は一部しか読めなかった。陣ヶ峰とは御堂から西の舘の跡の事か ...
■菊田郷土史編纂会『小さな郷土史 きくた』1995年

2019-08-12

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106