深山観音
深山観音 置賜第八番
五月十日
高岡観音 ── 深山 ── 深山観音
 なお山際はまだらに白い頭殿山。高岡から実淵川を遡ること一〇分足らず、置賜霊場最北端の観音寺に至る。 深山と呼ぶにしては田畑が広がり、静かな陽光の下、畑を耕す人も点々と、かれこれ変わらぬのどかな眺め ... むしろ曾ては街道の大門から、伽藍や僧坊が並み立つ景観だったのかも知れないが。 近年の調査で、現存の御堂の西に観音堂の跡が確認された。秘仏の観世音も、立木観音だった当時の杉の切り株すら判明したとか ...
 ちらちらと小蝶が通り過ぎる。国指定重文の御堂では「素朴な」と紹介された御前立の千手観音が、それこそのんびりとした面立ちで巡礼者を迎えていた。 のをわけてたのむゆくへはみやまなる つきのひかりはのどかなるらん ... 庫裡にて聞いた処では、御堂の屋根は石巻の職人が葺きに来たらしい。山門の屋根も四月に綺麗になったばかり。 御開帳の年とは云え、平日はお客も多くない云々。頂戴した乳酸飲料は駐車場で一気飲み ...
■長井市史編纂委員会『長井市史 第二巻 近世編』1982年
■後藤博『出羽百観音』1996年
■置賜日報社『置賜のお寺めぐり 3市5町の360寺総覧』2001年

2019-05-16

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106