本源寺
本源寺 中通り第二十四番
九月十四日 / 自宅 ── 中乱川橋 ── 荷口 ── 本源寺
 まるで月に一度の御寺巡りとは云え、中通りの札所も三分の二を過ぎた。七日目は二十四番から。乱川を越えて東根市荷口の本源寺へ ... 荷口と云う地名は舟運に関わる。かつての最上川は村の近くを流れ、舟着き場の一つとして賑わったのだとか。 ただ長らく水害に悩まされる土地でもあった。中乱川橋から集落へ向かう道に下ると、りんご畑と住宅地を仕切る堤を横断する。 止水板を立てる赤錆びた溝が、過去の艱難を物語る様に ...
 御寺の駐車場は南に回り込んだ所にあった。綺麗に整えられた山門の緑樹。本堂の天井には百花に囲まれた龍と天女。 後から思えばさくらんぼ七福神の一つでもある御寺なら、天女は弁財天だったか ... うちの観音様は分かれていて、との言の通り、西国三十三観音が正面の須弥壇を挟んで両翼に納まっていた。 古色に落ち着いた金泥に、観世音の面差しも穏やかに見える。野をもすぎ里をもゆきて中山の 寺へ参るはのちの世のため ...
 天文二十年の開創を伝える本源寺。初めは現在地の北西、千手堂と呼ばれる地にあったらしい。 故地には名前の通り千手観音の御堂があると聞いたが、行くには個人の耕地を通らねばならぬ、との話に寄らず仕舞い ... 千手堂の伽藍は宝暦年間に焼け落ち、移転後の史料に「西国三十三観音像新調安置」と記されていると云う。 御寺はその後も度々の災難に遭いながら幾度も再建を果たし、西国三十三観音に祈る人々を迎え続けている ...
■山形テレビ編『やまがたのお寺さん 第四集 −天童・東根・村山−』1980年
■鈴木覚瑛『荷口川の流るる里』1982年
■(不明)『開創百周年記念 新西国中通札所 御詠歌』1992年 ※正法寺にて拝領。
■大風印刷編『続・山形のお寺』2006年

2018-09-16

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106