林松寺
林松寺 中通り第二十五番
九月十四日 / 本源寺 ── 羽入 ── 林松寺
 羽入の林松寺は慶長七年に開かれた禅寺。明和年間より現在地にあり、その前は東の柏原に堂塔を構えていたと伝える。 昭和二〇年八月九日、神町飛行場に隣接していた羽入は米軍機による空襲を受け、死傷者が出てしまった。 多くの家屋が焼亡し、御寺も衆寮の屋根に火が着いたものの、大事には至らなかったと云う ... ゆっくり歩く翁を見送って、花岳山の額を掲げた山門に寄る。傍らの正観世音塔の台座には願文が刻まれていた ...
 本堂の左の脇間、手前に明治三十四年献納の巡礼絵馬を掲げ、奥に西国三十三観音を祀る。 忿怒の馬頭尊を除き、みな髪を瑠璃に彩る。あはれみやあまねき門の品々に なにをか波のここにきよみず ... 祭壇中央の宮殿に納めた厨子は、御寺に古くから伝わる善光寺式の観世音で、毎月十七日に開扉して法会を行うのだとか。 宝冠や手の形などは普通の善光寺式と異なるが、当地に及んだ善光寺信仰の一端を示しているのかも知れない ...
■山形テレビ編『やまがたのお寺さん 第四集 −天童・東根・村山−』1980年
■(不明)『開創百周年記念 新西国中通札所 御詠歌』1992年 ※正法寺にて拝領。
■星川賢隆『大富空襲』1995年
■大風印刷編『続・山形のお寺』2006年

2018-09-17

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106