永野堀切観音
七月三十一日。少し間が開いて九日目の上山巡礼は、二十八番の永野村から。ひとつ前の金沢観音とは、三吉葉山を挟んで東西正反対。
昔だからと云うて山越えでもあるまいし、当たり前に甲石を回って蔵王川を遡ったのだろうが、結構遠い...
永野公民館を過ぎてS字カーブに突き当たると、もうエコーラインだと勝手に思っているが、ほんの少し手前に、堀切へ向かう小さな丁字路がある。
そんな丁字路なんて、気にした事も無い...
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丁字路を折れてすぐ老夫婦に遇う。永野のかんのんさまはと尋ねると「堀切の観音様なぁ」、橋を渡ってゆくそうな...
赤錆たような蔵王川の橋の手前に小さな石祠、向こうは宝暦の延命地蔵。再び小さな丁字路が現れて、安永の地蔵大菩薩の碑に気付いた。
道路に背を向けているが、当時の追分に立てられたか...
道は南へ田圃を横切り、堰とともに尾根を切り通して生居に至るらしい。切り通しの入口から観音堂へ石段が伸びる...
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地元の資料に拠れば、堀切の地名も十一面観世音も、この王蔵河堰の開削に関わる。
山を隔てた生居や牧野へ水を供給する為に、九年にも及ぶ難工事が平安時代にあったと...
御堂の屋根がやや損傷、堂内は簡潔そのもの。宮殿の赤い幕の内に、石彫彩色の本尊を納める。御詠歌、あしびきのなが野の村にめぐり来て 堀切かよふ道はふだらく...
間々自動車や自転車が眼下を通り過ぎてゆく。水の守り神の眼差しを知るか知らずか...
■中川郷土史編さん委員会『中川郷土史』1987年
■「蔵王山麓 永野」編纂委員会『蔵王山麓 永野』1997年
■寺尾満『上山三十三観音』1998年
■「蔵王山麓 永野」編纂委員会『蔵王山麓 永野』1997年
■寺尾満『上山三十三観音』1998年
2016-08-02
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TOM
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