金沢観音
金沢観音
 七月十五日。上山巡礼の八日目は三吉葉山の西麓、金沢村の十一面観世音から... 観音堂の建つ傾斜地は、地区の墓地となっている。本来の参道はバイパスによって断たれてしまったが、代わりに歩道橋が設けられた。車ではバイパスの信号交差点から取り付け道路を上る... 石段の紫陽花が美しい時季に当たった。御堂の扁額は「金澤山」。上山二十七番の御詠歌、かねざわのふゑなる姿生まれぬる ほとけのおしへいのれ世の中...
 当地は拾躰観音八番でもある。御詠歌、のりの雨ながれつきせぬかねざわの みのるたごとは菩薩なるらん... 巡礼資料に拠れば江戸後期の別当は羽黒修験だった様だが、堂内に掲げた拾躰観音の発願同志者には、市街の真宗法円寺が別当として記されている。現在は分からない... 歩道橋でバイパスを渡った先の、供養碑の並ぶ参道の入口に、拾躰観音を示す石標が残っていた。此処から御宝前を往来した善男善女の姿が偲ばれる...
二十六番 宮脇竹の下 ←《上山 二十七番》→ 二十八番 永野
■山形テレビ編『やまがたのお寺さん −山形市の一部と上山−』1976年
■寺尾満『上山三十三観音』1998年

2016-07-16

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106