糸目観音
糸目観音
 七月十五日。金沢観音の次は糸目の観音堂に寄る。上山札所ではないが拾躰観音の第九番。 北から集落に入ると目に付く「中川福祉村 糸目」の表示板には「如意輪観世音堂」とも記され、石碑に並んで拾躰観音の石標もある... 観音堂へは個人の屋敷の中を通過する。玄関から参拝の旨を告げると、茶話中の媼が外に出て応じてくれたのには恐縮... 杉の木に囲まれた御堂。周りには地蔵尊や石祠、朱文字を刻んだ八日講の供養碑...
 資料に拠ると観音堂は、宝暦年間に再建されたと伝えるのみで、その始まりは明らかでないと云う... 正面に掲げた板には「観音」。鐘を鳴らして戸を開ける。宮殿風の祭壇の中に、本尊を納める厨子が設けてあった。御前立は小さな如意輪尊。 御詠歌、おしなべて仏にむすぶ糸目村 たかきいやしき救はぬはなし。春には枝垂れ桜が素晴らしい、との話は後で知った... 帰り際、茶話は続いていた。外から軽く会釈のみして仙石へ...
■中川郷土史編さん委員会『中川郷土史』1987年
■寺尾満『上山三十三観音』1998年

2016-07-17

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106