仙石の岩観音
七月十五日。畑仕事の姿を見ながら坂道の奥、仙石熊野神社から歩く。此処から葉山に行った以来だから二年ぶり。
熊出没注意の立札を見るも早速、近くの畑で小さなサイレンが鳴った。ケモノより、まさか自分に反応したのではあるまいし...
仙石の岩観音は、安政の頃に庄屋だった工藤源左エ門の発願。広く寄進者を募り、西国・坂東・秩父・最上の観音像を、大沢山中の小さな峡谷に安置した。
案内板に拠れば其の数百三十四体...
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巨岩巨石の立ち並ぶ谷は、それだけで霊妙なる雰囲気に満ちている。多くの尊像は、草深く苔に埋もれ、或いは断崖に辛うじて留まり、いつか仏と岩が一になってゆく...
源左エ門の名を刻んだ観世音が、四阿近くの洞に納めてあった。蓮や衣に朱の彩色が施してあったらしい。流れる筆は西国三十三番、谷汲山の詠歌のよう...
前回は尾根に出る為に林道まで突き抜けたが、今日は用も無し。西国一番の観世音の前で合掌して戻る...
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上山拾躰観音の第十番、本来ならば打ち納め。御詠歌、よろづよの願いをここに納めおく 幾世くちせぬ岩の観音...
拾躰観音の石標を探すともなく探したが見つからず。何の事はない、石標は別当の高仙寺の前に立ててあった。留守だった様で分からなかったが、詠歌額も御寺にあるのかも知れない...
本日は、上山札所こそ一所のみの前進として此処まで。安楽院苅田峰神社から中川郵便局まで踏んでおいて、次回は永野堀切へ...
■中川郷土史編さん委員会『中川郷土史』1987年
■寺尾満『上山三十三観音』1998年
■寺尾満『上山三十三観音』1998年
2016-07-17
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TOM
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