小笹観音
六月二十五日。次は上山十九番、小笹の十一面観音堂。御堂は杉林に隠れているが、鳥居は県道からでも呑岡山の麓に見つけられる...
薄暗い境内に入り、先ず驚かされる石碑群。軽く背丈を超える虚空蔵塔は、中でも意外な感じがした。年号は寛延四年か...
御堂は「補陀窟」の扁額を掲げ、その両側に、十四番小豆森と十九番小笹の詠歌額が並ぶ。当地の御詠歌、わらだすきかけまくたのむ後の世の 小笹しげれる道はわすれじ...
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現在の上山巡礼では、山奥の十四番を小笹観音で遥拝して済ませる事がほとんどの様で、それで御詠歌が二つ並ぶ。
資料に記された小堂については、のちほど路傍に尋ねた媼や翁からも話は出なかった。小笹は観音様を二つ預かっている、との語り口が誇らしげながらも...
詠歌額の隣に岩観音の古い写真が納めてある。戦前の撮影に違いないが、何処から望遠したものかは気になる。今は先へ進まねばならず、探索する余裕も無いが...
■寺尾満『上山三十三観音』1998年
2016-06-27
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TOM
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