久保川観音
久保川観音
 六月二十五日。上山巡礼六日目は十八番の久保川から。先日に萱ヶ平観音まで行ったのなら、帰りに寄っておけば良さそうなものだが。何となく日を改めた... 県道から観音堂に降りる為の階段が設けてある。御堂は道路と反対の南向き。敢えて前方に参道らしい道は見られない。隣の池の縁は歩くに問題ない... 池にさざなみが立つほどの風。ゆらゆらと緋鯉の影が乱れる。笑顔ついでにころっと飛び出しそうな六面幢の地蔵さん...
 資料に拠ると御堂の本尊は、素朴な木彫の十一面観世音。左足を下げて半跏している。御詠歌、なべてみな大久保とこそ後の世の たか身を杖にいたる彼の岸... もと久保川は大久保村と呼ばれ、御詠歌にも土地の名が詠み込まれた。 なお御堂に掲げられた御詠歌の方が、意味を取りやすい。なべてみなおおくほどこせ後の世の たが身も杖にいたる彼の岸... また鯉がきらりと光るも風は已然治まらず。次の小笹の観音はすぐ近い...
十七番 萱ヶ平 ←《上山三十三観音 十八番》→ 十九番 小笹
■寺尾満『上山三十三観音』1998年

2016-06-25

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106