萱ヶ平観音
萱ヶ平観音
 六月十八日。次の札所の萱ヶ平は、菖蒲から東へ県道一本みち。萱平橋の先の御堂は山神様か。 人が住んでいるような居ないような古屋敷の家並を過ぎて、旧分校では薪づくりでもしている様子... さっぱり人を見ないと思ったら、二輪車両とすれ違った。奥地で仕事か四輪も二台。茂みの中には庚申塔。 急坂を凌いで平坦に安堵すると、端に目印の地蔵尊が坐していた。それより先に「萱瀧遊園」の大きな看板が目に入ってしまうが...
 どの辺りが遊園なのかは気にせず、滝の響きに誘われて小径を下りる。眼下に萱滝。滝壺は後で降りるとして、先ずは上山十七番。萱ヶ平の観世音は森の中... こんな深山の里の、しかも滝口の傍に観音堂があったとは。台座に「南無萱瀧観世音菩薩」。ひとり合点して合掌。 御詠歌、くみて世をすくふ誓ひを瀧の上 絶えず流るるかやがたひらに...名実共に上山巡礼の折り返し、既に五日も掛かっている。因って本日もここまで...
十六番 菖蒲 ←《上山三十三観音 十七番》→ 十八番 久保川
■寺尾満『上山三十三観音』1998年

2016-06-23

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106