中性院観音
中性院観音
 十一月二十五日、東通り巡礼十日。最終日の朝は龍に雁戸に雪の粧い... 先ずは三十一番の中性院、立石寺塔中のひとつ。と云う事は、山門で入山料を払う要がある。今年は何かと三度目の山寺奥の院... 少しは早めに出たつもりだったが、もう団体客が下りてきた。みな若干疲労したような肌寒いような面持ちで ...観明院から諸院参拝。中性院は一旦素通りして大仏殿、如法堂まで上り詰め、多聖場、華蔵院と巡りながら戻る...
 十二支院と数えられた山上の諸院も明治以降は統廃合が進み、現在は四ヶ寺... 仁王門すぐ上の観明院は無住で、数には入れない。阿弥陀仏が出されおり、折角だから毎度手を合わせている。翌朝には賽銭が二つに割れているとか、いないとか... 中性院はその観明院の他、失われた塔中を幾つか合併して存続している。最上義光公の日牌も勤めるが、向かいの霊屋は江戸時代、今は立ち入りできない西谷にあった事が知られている...
 札所の観世音を尋ねると、正面の祭壇に祀ってあるとの由。御寺の媼は、巡礼盛んな頃の様子も覚えておられた。いまどき東通りは珍しい、と呟きながら.. .拝受の朱印は三印仕様、東通りの札所印が捺されてあった。主印は通常と同じ弥陀三尊。御詠歌、むかしより誓いは重き山寺の 仏の法のあらたなりけり.. .登拝客が増えてきた。足早に五大堂へ寄って県境を望む。薄雪を纏うた糸岳。ほんの先端だけ白い山王岳が寒々しい...
三十番 風立寺 ←《東通り三十三観音 三十一番》→ 三十二番 聴流寺

2015-11-27

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106