龍岩寺観音
龍岩寺観音
 十一月九日、東通り巡礼八日は思わず一所のみになった... 立谷川を渡って大森山の西、二十七番は龍岩寺。着いた時には留守だった。小高い所に建つ太子堂にて巡拝無事を念じ、本堂の方へ戻る... 高瀬には東山三十三所と呼ばれる霊場があり、太子堂は八番に当たる。別して龍岩寺は六番、近くの白山社が七番... さて札所本尊は本堂かなと見当し、大輪の菊花の傍で合掌。さらさらと誦経も終わる頃合い、背後から呼ぶ声が...
 御寺の婦人が帰って来られ、堂内で参拝する事ができた。札所本尊は最上三十三観音群。更に中央には新しい立像も寄贈されている。招かれるまま一服頂戴. ..小壁の中途半端な位置に、坊主頭の古い像がひとつだけ掲げてあった。寺は二度の火災に見舞われた為に伝わるべき記録が一切無く、ただその古い像だけが残ったのだとか... 資料に拠れば、再建の度に境内を大森集落へ近づけてきた様で、現在地に収まったのは嘉永年間...
 御寺では様々な催しや活動に取り組んでいるらしい。従来に執らわれず地域の為に行動する事は、斬新である一方で、本来の寺院の役割でもあった筈... 次々と溢れんばかりの創意発想と、ひとつひとつを実現している話を聴きながら、こうした寺の存在は、地域にとって幸いな事だと感じずには居れない... 御詠歌、かかる世の生まれを安き恵みにて未来を手引く菩薩なりけり。外に出ると疾うに日は暮れていた。本日はここまで...
二十六番 長龍寺 ←《東通り三十三観音 二十七番》→ 二十八番 智鏡寺

2015-11-12

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106