大石田観音
大石田観音
曹源院---大橋---大石田観音---大石田駅
 九月四日。最上巡礼八日の四つ目。一日の仕舞いに掛かり油断したものか、次回に歩く街道筋を見ておこうと、寄り道をしたら方角を誤った。小路から河岸に出てみたら虹の大橋のそば。いやいや渡りたいのは下の大橋だよと独りで呆れる... 三時間ほどの内に最上川を四回渡った。ある程度大きい橋でも車なら忽ち過ぎるが、徒歩は当たり前に時間が掛かる。普段それほど身近でもない最上川の大きさを、足で気付くとは思わなかった。橋の無い頃、渡し舟ならもっと手間が掛かったのだろう...
 大石田観音、西光寺の山門の前では先客の御夫婦が仁王像をのぞき込んでいた。会釈しつつ脇を抜け、御堂に上がる支度をしていると、境内にワゴン車が入ってくる。観音堂の前に駐まり、脇仏の観音群を運び出し始めた。仏具屋か... 作業の邪魔になるとも思われず、遠慮気味に座して行ずる。そのうち件の仏具屋は、仏像の傍に落ちていた小銭を賽銭箱に放り込むやら、不要物らしきものは御堂の外に放り出すやら、外の手伝い方には小言を放るやら。先の御夫婦が参拝できたかは不明... とにかく何事も無く朱印も頂戴し、そのまま境内を退いた。実は過去三巡とも大石田では不測の事あり、それもこれもみな観世音の御計らい。四回連続なら、もはや妙に立派なものだ...
 御詠歌、月も日も波間に浮かぶ大石田 舟に宝を積む心せよ。本日はここまで。次は大石田駅から、十八番の岩木へ。
二十八番 塩の沢 ←《最上三十三観音 二十九番》→ 三十番 丹生

2014-09-08

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106