丹生観音
丹生観音
大石田駅---尾花沢待合所---西正厳橋---丹生観音
 八月十二日。最上巡礼五日の一つ目。午後から雨が降りそうで、それまで山刀伐峠に達するには、大石田から尾花沢までのバスを待つ余裕は無かった。駅から歩き始めてしまう方が早い... 薄雲は多めながらも爽やかな朝。靴紐を少し調整したのも効いたのか、驚くほど調子良く二藤袋を抜けた。西正厳橋に下りながら、頭だけ雲の上に出した鳥海山を見つける... 丹生村の手前の明徳小学校は、閉校になっていた。草茂り時計の止まった校舎の前で、朝の散歩やランニングの子たちと挨拶を交わす。いま農村ののどかさは止まぬ寂寞とのうらおもて...
 何故か登り口に迷いながらも丹生観音。旅の僧侶が念持仏としていた浅草寺由来の聖観音像を本尊とする。参道の途中からは、樹木の葉が空けば月山も見えるのかも知れない。此処にも連れ立って参拝してゆく親子の姿があった... 納経所は、窓こそ開いていたが留守だった。しばらく待っても来る気配は無い。窓から手の届く所に朱印一式あり、止むなく自ら押印。納経料は一筆書きと共に置いてゆく... 御詠歌、あなたふと導きたまへ丹生村の 観世音にぞはこぶ歩みを。次は山刀伐峠を越えて、三十一番の富沢へ。
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2014-08-12

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106