浄国寺観音堂 2013-06-14
浄国寺観音堂
 六月十四日。西興寺から素直に南へ坂を下って行けば、次の浄国寺の前通りに出られる。五百メートルほどの徒歩。しかし吸気さえぢりぢりと焙るような日照りはつらい... 東根城の名残とどめる山門を抜け、広い境内になお日照りは収まらず。御寺の人と思しきに挨拶したものの、参拝の後には誰も居なくなっていた。観音堂は本堂向かって左の大悲殿。隣に六面幢が立つ... 直接話を伺う機を逸したので、資料から寄せ集めに記する。浄国寺の聖観世音はコモカブリの秘仏。東通り札所二番で更に、昭和二年に当寺住職が発起の一人となって開かれた東根七観音の七番。迷うてふ麓は雲の厚けれど高嶺は月の影ぞさやけし... 一方で最上新西国二十八番は当初、六田の田松寺の聖観世音に定められた。古くは六田観音堂の別当も務めた寺だが、住職を失い、昭和六十一年の本堂解体を以て境内地も無くなっている。 しかし昭和四十九年に浄国寺が住職を兼ねて以降、廃寺とせず、浄国寺で寺格も継いでいる、らしい。ややこしいので巡礼は、いずれにしても浄国寺の観音堂と云うことにしよう... こーんと鐘を鳴らしつつ詠歌額の一つに目が留まり、驚きにひと声うなった。「最新西国廾八番 田松寺」と書してある。経緯からすれば不思議は無くとも、過去を証する文字を目の当たりにして、幾らか狼狽したかも知れない...
二十七番 西興寺 ←《最上新西国 二十八番》→ 二十九番 六田
■田松寺御詠歌額で最上の「上」を欠いているのは原文ママ。西国二十八番・成相寺の御詠歌「なみ乃を登まつの飛ゝきも奈りあへ能かせ奴きわた留天能橋立」ほぼ原文ママのつもり。

2013-06-22

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106