唐松観音堂 2013-01-30
唐松観音堂
 一月三十日。黒光る大鍋の柄をかざして、唐松の観音堂を眺める。雪を失った断崖の緑がくすみ、御堂の朱と白ばかり清しく際立つ。今日もまた穏やかな日和... 対岸の国道から何となく見慣れているので、御堂へ寄るのが三年ぶりとは意外だった。たまたま行き交う人も無く、馬見ヶ崎川と滑川の出合う河原一帯に散らばる足跡ばかりが賑わしい... 唐松山護国寺、最上札所五番の聖観世音。名所であり由緒も古いが、京都清水寺を模した懸造りは江戸前期に始まる。更に唐破風付きの現御堂は昭和五十一年の再建と云うから、自宅の築年数とたいして変わらぬ... 薮が少しさっぱりした感じの河原に、夜空の星より多く浮かぶ蛍を見たのも、然して昔の話ではない。ぼんやり悲喜織り交ぜて懐かしい...

2013-01-31

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106