杵築神社
杵築神社の観世音
十月十八日
最上町の本城には、かつて小国郷を領した細川氏の館があった。細川氏が滅んだ後も引き続き、最上氏麾下の小国日向守が拠った要衝でもある。 杵築神社はその山城の南、小さな谷を挟んだ高台に鎮座する。創建の頃は古すぎてよく分かっていない。 元は飛騨の匠の手によると伝えた総欅造りの小社で、社殿を守るための鞘堂の内部に三十三の観音像が納めてあったと云う。 子安観音と地蔵尊の祠もあり、小国西国三十二番の地にも選ばれている . . .
昭和十七年、向町を襲った大火に巻き込まれて当時の社殿は焼失し、鞘堂の観音像の数体は逃れたが、子安観音と小国西国の石仏は失われたらしい。 現在の神社は本殿拝殿を構え、隣に子安観音堂も再建された。御堂内陣の格子には赤ん坊の前掛けが幾つも納められている。 小国郷七観音の第三番。今年は最上町に出向く用が重なり、これも御縁と七観音すべて訪ねる時機を得た。 境内の広場から北を望むと見性寺、山形十三仏の地蔵堂が見える . . .
■最上町文化財保護委員会『文化財資料(九)小国西国三十三観音と最上町の風土』1975年
■佐藤義則編『民俗民芸双書83 羽前小国郷の伝承』1980年

2024-10-30

TOM
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