高屋千手観音堂
高屋千手観音堂
令和辛丑年十月二十七日
 新緑に随伴を始めた最上巡礼は、かれもこれも続々と初冠雪の報に見舞われて、長登を折り返したこの日で年内の終いとなった。 行者と別々の帰途につき、慈恩寺の前で猫に軽くあしらわれ、如何にもゲンが悪いまま高瀬山を越える ... 高屋は寒河江市の南方。かつて寒河江荘に拠った大江氏の累代の重臣、高屋氏が楯を構えていた。 地区の熊野神社は平塩熊野の分社のひとつで、別当は隣の光明寺ではなく、少し離れた高光院だとか ...
 観音堂のある敷地は光明寺遊園の名が付いており、光明寺の境内地であるらしい。朱塗りの両部鳥居に掲げた額は「千手観音」。 小字に因んで新屋敷観音堂とも呼ばれる。御堂を守る欅の大樹に紅葉が進む ... 伝える所の創建は宝暦年間。寒河江三十三所では第十七番、高屋新屋敷として記される。地区の人々の大切な月並として、長く観音講が続けられてきたと云う。 あらすずし高屋にのぼりみわたせば よもの田面たのもぞむらさきの雲 ...
■山形テレビ編『やまがたのお寺さん 第五集』1985年
■高屋史話会『高屋の歴史を語る』1995年
■宇井啓『さがえ風土記 IV』2019年

2022-06-13

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106