深雪ゆるむ
二月二十二日
牧区は未だ深雪に覆われているが、気の早い日向では草地が顔を出し始めた。
この頃は降るものも雨となり、けものの跡はおぼろげに、今朝は氷瀑の谷に向かう影も無い。倒伏した一本松の痛々しさだけが、真白の傾斜地に取り残される
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散り損ねた枯れ葉が枝の端で揺れ、ひどく緩い雪面に杖も歩みも重くなる。
どすんと股まで踏み抜くと、穴の底に隣の樹の根が見えて、寝た子を起こす訳でもあるまいに、慌てて直ちに埋め戻す
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西蔵王放牧場 ── 大姥神 ── 龍山 ── (ほぼ往路を復す)
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挨拶は高森の尾根に出て間もなく交わした一度きり。南寄りの荒む風に背を向け、朝の茶粥の出来を省みる。
眼下、無数の樹々の濃淡と岩崖の陰影。彩り無く重なる山襞が、陽の加減でゆっくりと抑揚する
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残雪悉く剥がし飛ばしそうな暖風は止まず、大権現の御前にしても安息の隙は無し。雪庇の先に雁戸山。栗駒は青天に消えていった。
つがいの鳶が旋回しつつ西に去るも、行く手の雲は仄暗い。駈け下る坂の上、古樹がきしむ
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2021-02-24
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TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106