赤芝観音
赤芝観音 置賜第二十五番
十月十日
小野川観音 ── 赤芝観音 (龍性院)・赤芝羽黒神社
 温泉街から直ちに取って返し、数分で龍性院の坂に戻る。先刻寄ってしまった時に参拝しても構わなかった筈だが、咄嗟に、自ら腐心の順路に捉われてしまった ... その稀にみる北向き云々の御堂は、平坦に造り過ぎた様な広場の端にある。平成になって境内の中で遷座しており、堂内の千手観音坐像はその折の寄進らしい。 本尊は福徳延命の聖観世音菩薩とか。あはれみのたのむほとけはあかしばの ふもんのみかげなをもあらたに ...
 背後の山中にちらつく小祠群は羽黒神社の境内。関根羽黒神社や笹野観音と伝承を一にする古社で、観音別当の龍性院はその山号が表す通り、羽黒神社の別当でもあった。 真昼の陽も容易に届かぬ森の中、山門の奥は苔むした石段が続く。過飾を退け均整の取れた白木の社殿。投じた賽銭の立てた乾いた音が、神域の内でやや響く ... 霊木から生まれたと云う赤芝観音。享和の草木供養塔が当地に安住したのも、故なき事とは思われず ...
■長井市史編纂委員会『長井市史 第二巻 近世編』1982年
■後藤博『出羽百観音』1996年
■置賜日報社『置賜のお寺めぐり 3市5町の360寺総覧』2001年
■置賜民俗学会『置賜の民俗 第20号』2013年

2019-10-25

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106