黒沢観音
黒沢観音 置賜第三番
六月十三日
時庭観音・正法寺 ── 県道二五一号 ── 黒沢観音 (高伝寺)
 波化はけの正法寺から波華はけの集落を通り抜け、高柳踏切を渡って米坂線の南へ出る。 散居集落を大雑把に繋ぐ県道からも、目差す高伝寺の屋根は直ぐ分かった。御寺には南から迫るのが穏当らしい。 慈眼視衆生、福聚海無量、一対の石柱に黙礼して過ぎる ... 黒沢観音の御堂は高伝寺の境内にある。古来御堂のあった場所は川の傍で、度々氾濫に悩まされたと云う。 大正五年の再建後、昭和六年の米坂東線延伸工事を受けて高伝寺へ遷った ...
 御堂は屋根から外回りを手厚く保護して、真新しげに見える。 開け放った堂内には如来や古風な木彫の菩薩、西国三十三観音。大正二年の奉納額には、置賜札所全ての御詠歌を連々と書する。 祭壇の中央に、すらりと立つ聖観世音菩薩。縁の糸を宝冠の飾りにまで絡めていた。まいるよりたのみをかけてくろさはの はなのうてなにむらさきのくも ... 朱印帳の差し替え分は、本堂の前に用意してあった。小野川での用件がひとつ減る ...
■長井市史編纂委員会『長井市史 第二巻 近世編』1982年
■後藤博『出羽百観音』1996年
■置賜日報社『置賜のお寺めぐり 3市5町の360寺総覧』2001年
■置賜民俗学会『置賜の民俗 第20号』2013年

2019-06-26

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106