九野本観音
九野本観音 置賜第五番
六月十三日
宮の観音 ── 県道二五六号 ── 九野本観音 (観音寺)
 県道を南下すると、やがて田圃の中の小さな交差点に、大きな石柱が二つ立っていた。 右側は「普門山観音寺」、左には置賜五番札所と文殊菩薩の霊場である旨を記す。是より境内と云う訳でもないが観音寺は目前。 御寺の入口とは別に、観音堂にも参道がまっすぐ向かっている。何の謂れか芭蕉の句碑が、木陰に涼んでいた ... 資料に拠れば観音寺は長禄元年の創建。しかし天保九年の火災で記録を失っており、よく判らないらしい ...
 観音堂の始まりは寛文年間と伝える。御寺と共に嘉永七年の再建だと云う。円通堂の新しげな扁額を掲げる。本尊は十一面観世音菩薩立像。 厨子の前に立つ尊像が、縁の赤い糸を握り締める。頭上の小面は古様を模したものだろうか。くのもとをすくふちかひのふかければ たのみをかけてあんらくのよに ... 堂内の右側に大聖文殊尊。御寺は立派な本堂にも拘らず無住で、朱印は小野川の預かり云々。 境内の端から眺める葉山が蒼い ...
■長井市史編纂委員会『長井市史 第二巻 近世編』1982年
■後藤博『出羽百観音』1996年
■置賜日報社『置賜のお寺めぐり 3市5町の360寺総覧』2001年
■置賜民俗学会『置賜の民俗 第20号』2013年

2019-06-21

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106