森の観音
森の観音 置賜第三十二番
六月十三日
五十川観音 ── 国道二八七号 ── 森の観音
 昔いつの頃とも知らず、村人が偶然光り輝く物を見つけ、観音様の精だとして御堂を建てたのが、森観音の始まりだと云う。 地区の南に鉱山の跡があり、大正の頃は銀の採掘が盛んだったそうだが、それらしく関わりそうな気がするのは俗人の証かも知れぬ ... 案内板等に拠れば、御堂は火災に遭い、享保七年の再建と伝える。西側に別当の真光寺もあったらしい。 真光寺は明治に廃されて宮の遍照寺に合併、別当職も遍照寺に移った ...
 小人の様に並ぶ百庚申。境内では石材店が作業中。御堂の屋根には、どうしても気になる破風が載る。 享保の火災後に御本尊は秘仏となり、前立の千手観音は江戸初期の作と云われるが、どちらもお出ましならず。 ありがたやおしへにまかすこのみこそ ねひくわんのんのちかひなるらん。下句は「念彼観音」の意 ... 森ヶ沢を渡った先の公民館が朱印所。観音堂も公民館も広い駐車場も少々離れているが、のんびり歩けば良いだろう ...
■新野豊松『長井村郷土誌』1954年
■長井市史編纂委員会『長井市史 第二巻 近世編』1982年
■後藤博『出羽百観音』1996年
■置賜日報社『置賜のお寺めぐり 3市5町の360寺総覧』2001年
■置賜民俗学会『置賜の民俗 第20号』2013年

2019-06-17

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106