関寺観音
関寺観音 置賜第十三番
五月十日
滝野大聖院 ── 十王 ── 円光寺跡 ── 関寺観音
 赤い欄干の橋を渡って円光寺、と思ったら建物が無い。そうだったのかなと十余年も前の記憶を手繰っても、傍を通り過ぎただけの御寺の印象なぞ、奇麗に失せている ... 参道の階段は山の中へ登ってゆく。少し開けた杉林の奥に大きな観音堂。明治の初めに再建されたが、露盤の下に小さく一層設けた姿が、むしろ洒落た風に思える。 鳥の声も微かに沈みがちな境内。すぐ上に森林公園が広がっていようとは、さっぱり感じられない ...
 行基菩薩の開山を伝えるも定かならず。麓の案内板には、仏坂でも登場した伊達行朝の名を再興と記す。 本尊は秘仏の十一面観世音。御前立の白木の立像が参拝者を迎えていた。のちのよをねがふこころはかろくとも ほとけのちかひおもきせきでら ... 御堂正面の扁額、これで観自在と読むのなら怖いものは無い。池の水面がぼつんと音を立て、考え込むのを諦めた。 朱印所は鮎貝の相応院で随分離れている為、先ず次の札所へ進む ...
■長井市史編纂委員会『長井市史 第二巻 近世編』1982年
■後藤博『出羽百観音』1996年
■置賜日報社『置賜のお寺めぐり 3市5町の360寺総覧』2001年

2019-05-13

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106