正法寺
正法寺 中通り第十八番
七月二十四日 / 永源寺 ── 塚野目 ── 矢野目 ── 正法寺
 矢野目の正法寺の境内は、林の中に入るような心地だった。蝉までしーんと鳴くような閑かさが、木陰の空気を涼しくする。 あまり屋根を高くしない本堂の外観は、ちょっとした郷愁を誘う。小さい頃の何処かの記憶 ... 本堂の札所の観世音は、阿弥陀仏の許に並ぶ西国三十三観音。わが思ふ心のうちは六つのかど ただまろかれと祈るなりけり。 出征して逝った村の人々か、写真が一緒に掲げてあった。後生はいくさの無い善き処に ...
 元禄年間の開山を伝える正法寺だが、幕末戊辰の兵火に罹って伽藍や文書の一切を失ったと云う。難を免れた御本尊にしても、由来は口碑に残るばかりと ... 誦経を終えて振り返ると、衣を改めた住職がゆったりと待っておられた。 そうして、御寺の歴史を綴った刷り物と、中通り開創百周年に編まれた御詠歌集を下さった。 この暑い中を巡るのは大変だがそれだけ功徳はあるでしょう、と仰って頂き、有り難いような面目無いような ...
■山形テレビ編『やまがたのお寺さん 第四集 −天童・東根・村山−』1980年
■(不明)『開創百周年記念 新西国中通札所 御詠歌』1992年 ※正法寺にて拝領。
■大風印刷編『続・山形のお寺』2006年

2018-07-29

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106