長泉寺
長泉寺 中通り第十三番
六月三十日 / 安楽寺 ── 天神町 ── 長泉寺(四日目終了)
 先へ進むのは高擶の安楽寺までとして、直ちに見崎の長泉寺へ戻る。駐車場は空っぽ、とうに法事は終っていた気配。 度々の急訪を詫びつつ本堂へ。窓から猫がするすると出てきた。見掛けぬ顔を検分に来たのだろう ... 当所の観世音は、本堂須弥壇の右奥に納まる西国三十三観音。やはり中央の第十三番だけ、ひとまわり大きい。 朱印は自分で捺せるよう出して頂いた。のちの世を願ふ心はかろくとも ほとけの誓ひおもきいしやま ...
 寛永の創建と伝える金華山長泉寺。札所前後の高源寺、真福寺と同じく七日町法祥寺によって開かれている。 大郷三十三所の第十二番「あさぼらけ鐘のねひびく長泉寺 われを忘れてとのう念仏」と詠まれた殿鐘の事は、失念して尋ねず終い。 帰り際に緑茶一本を頂き、恐縮の限り ... 本堂に戻った猫殿が、窓からこちらを見詰めていた。見送りにと云うよりも、見張りに出てきたまなざしで。午後の驟雨を避けるべく、四日目はここまで。
■山形テレビ編『やまがたのお寺さん 第一集 −山形市の一部と上山−』1976年
■大郷郷土研究会編『大郷の伝承』1976年
■大風印刷編『山形のお寺』2000年

2018-07-13

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106