保福寺
保福寺 中通り第七番
五月二十九日 / 法体寺 ── 須川河岸 ── 保福寺
 適当に近道したつもりが一手違えて遠回り、御寺の裏を通過する奇事。ともあれ是より山形市、中野目の神護山保福寺。 少し前の資料では市内の大龍寺が代務する風に記されてある。今もそうなのか確かめてはいないが、留守には違いなかった ... 北隣は厳島神社で、本殿の隣に熊野神社も並ぶ。厳島社は保福寺が別当を務めた時代もあったとか。明治に至って村社に列す。 後に熊野神社も、村内の当初の鎮座地から遷ってきたらしい ...
 ほのかに微笑む地蔵尊。よく見れば山門に中通り札所の板が掲げてあった。黒ずんでしまって読み難いけれど。 境内の草花樹木みな清浄な気配なのは、ばっさりと陽射しがそそぐ所為でもない。飾り気の無い本堂は、寺号の扁額を掲げるのみ。 雀たちの噪々に微声の心経も圧されつつ、けさみればつゆ岡寺の庭の苔 さながら瑠璃の光なりけり ... 火の見に佇む黒い影、小さく群れる鳥たちは更に緊迫する。見下ろされては猫も敵わず ...
■山形テレビ編『やまがたのお寺さん 第二集 −山形市の一部と山辺・中山−』1978年
■明治地区郷土史編集委員会『ふるさと明治』1989年
■大風印刷編『山形のお寺』2000年

2018-06-06

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106