法体寺
法体寺 中通り第六番
五月二十九日 / 普門寺 ── 寺津郵便局 ── 法体寺
 普門寺から寺津を南へ抜けて法体寺。門前の水辺は公園のよう。もう少し先に行くと寺津沼だったらしいが、もう暑くて止めた ... 山門を覆わぬばかりの樹木、境内もまた蒼然。清緑かざした蔵造りの小堂が、中通り巡礼では初の観音堂。 御寺は応永の頃に寺津城主の菩提寺として始まり、本堂の御本尊もまた観世音だと云う。札所本尊は観音堂の千手観音。 引き戸に手を掛けると鈍く軋みながらも開いた。自ずと頭を垂れて内に入る ...
 祭壇の最上段に厨子入りの千手観音。隣に阿弥陀仏、そして西国三十三観音が段々に並み立つ。更には観音講の為か木魚が多数備えてある。 岩をたて水をたたえて壷坂の 庭のいさごも浄土なるらん。そう云えば西国六番も千手観音だった ... 貼られた納め札は年に数枚も無い。それでいて平成を通じてなお途切れもせず、遥か前を行く先達たちの気配を感じながら、後を付いてゆく。 肩に触れて楓の葉が揺れる。秋の御堂は錦繍の下 ...
■山形テレビ編『やまがたのお寺さん 第四集 −天童・東根・村山−』1980年
■大風印刷編『続・山形のお寺』2006年

2018-06-03

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106