普門寺 中通り第五番
のほほんと二週空けての中通り二日目は、藤内新田の円通山普門寺から。御寺は県道に面しており、高い門柱の両側にお地蔵さんが立っている。
本堂も庫裡も問うて応える声は無く、今日も物静かな始まり。向拝の影の中だけ微かに涼しい。短い誦経を牽制する虻の音
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曹洞の寺として開山したのが宝永年間と伝える。札所本尊は本堂の内の筈だが、外より窺うすべは無い。
まいるより頼みをかくるふじ井でら 花のうてなに紫の雲
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巡礼五日目の帰り道、あんまり期待せず御寺に寄ってみると、幸いにも住職が居られた。参拝を快諾頂き、御寺の本尊釈迦牟尼仏に一礼して本堂に入る。
左の脇間に粛然と並ぶ観世音は西国三十三観音。幾らか速めに経を誦むうち汗が引く。朱印と共に、宗門の小冊子を頂戴した
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やはり札所四番の見性寺は、普門寺で兼務しておられるとか。
現在は祭礼や講中も無く、寺での法要も少ないため、住職もあまり出向く事が無いらしい
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■山形テレビ編『やまがたのお寺さん 第四集 −天童・東根・村山−』1980年
■大風印刷編『続・山形のお寺』2006年