誓願寺
誓願寺(蔵増) 中通り第三番
五月十五日 / 徳昌寺 ── 誓願寺
 大きくはないが謹厳な風貌の山門。くぐると生来の猫背も伸びる心地がする。余りにも静かな気配に留守かと思われたが、呼鈴に幸い返事があった ... 安養山誓願寺は暦応二年の開山以来、蔵増の地における専ら念仏の道場として永々続いてきたと云う。本尊阿弥陀如来。 札所の観世音も本堂の内にあり、最上三十三観音に囲まれてひと際大きく、西国三番と同じ千手観音。 ちちははの恵みも深き粉河寺 ほとけの誓ひたのもしの身や ...
 誓願寺に関して一節触れられるのは、寧ろ最上三十三観音の方か。この為に誓願寺末だった成生庵は、途絶えた後も資料に名を留める。 当時の庵主の発願に百六十余の人々が浄財を寄せ、万延元年に成った三十三体の観世音。誓願寺に遷されたのは昭和四十四年の事だとか ... 菩提寺の話など挿みながら、先の徳昌寺に続いて偶々二印頂いた。御堂を辞して山門で振り返ると、先刻の静けさに時間が戻る。何処ぞ遠ざかる郵便配達の音 ...
■山形テレビ編『やまがたのお寺さん 第四集 −天童・東根・村山−』1980年
■大風印刷編『続・山形のお寺』2006年

2018-05-20

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106