足の口観音
足の口観音
 七月三十一日。足の口の観音堂は集落の上の方にある。隣の敷地は公民館。周囲は農地に囲まれて静かな場所だが、近くで高速道路の新規工事が進められているらしい... 鳥居に着くなり草地から雉子が飛び出した。そのまま去るかと思えば、右往左往して啼き続け、寧ろこちらには関係無く誰かを探している様子。近くで別の鳴き声も聞こえる。 結末如何にと眺めていたが、一向に走り回るのを止めない。痺れを切らして参道を上る...
 上山三十一番の千手観音。草創は平安後期の大治年中と伝え、後に村が出来てからは鎮守の観世音として敬われたと云う。向拝の龍が凄む現在の御堂は、明治十二年の再建。 格子越しに拝する本尊は、青銅色の肌に金の衣を纏うが木像らしい。御詠歌、うまれくるこの身はなにはあしの口 のちの世よしやいのるもろ人... どんな経緯で進化したのか驚怖を禁じ得ぬ六面幢。雉子の姿も疾うに無く、本日は此処まで。続きはお盆の後に...
三十番 権現堂 ←《上山 三十一番》→ 三十二番 金谷
■中川郷土史編さん委員会『中川郷土史』1987年
■寺尾満『上山三十三観音』1998年

2016-08-08

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106