西光寺観音
西光寺観音
 五月二十二日。湯町の寿仙寺から南へ、何か勿体無いほど下ったような気がしながら石崎の時宗福寿山西光寺に着く。此処は拾躰観音の第五番。 ゆるやかに延びた石段に、緑彩めざましい大樹をかざして朱の山門を仰げば、彼岸の奏楽でも聴こえて来そうな気分になる... やや古くなった蔵を覗くと、輪蔵が収まってあった。大きな輪蔵は、回せなくとも拝しただけで縁起が良い。訪ねる本堂の御本尊は、善光寺式とされる阿弥陀三尊...
 これまた後から気付いてみれば、本堂がすんなり開いたのは、すぐ法要が始まる時分だった為だろう。境内あまりに閑静として、全く油断してしまった... 堂内右手の西国三十三観音が札所本尊か。隣の大陸風な菩薩像は気にしながらも、至極相変わらずに読経を済ませて振り返ると、すっかり皆様お揃いで... 住職方々に手短く礼して退散、何も聞けず終い。御詠歌、ただ頼めひかりかがやく西寺の 大悲にすがる身こそやすけれ...
■再訪して聞いたところ、札所本尊は西国三十三観音で間違いなかった。一切経の輪蔵は明治の作だとか。(2016-05-28)
■山形テレビ編『やまがたのお寺さん −山形市の一部と上山−』1976年
■寺尾満『上山三十三観音』1998年
■大風印刷編『山形のお寺』2000年

2016-05-24

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106