万徳寺観音
万徳寺観音
 十一月十三日、東通り巡礼九日の二つ目は二十九番、東通り最南端の万徳寺。初冬まもない里山を背にして、黄葉まぶしい大銀杏が映える... 慶長年間の開山を伝える禅寺。見たところ本堂ほか諸堂は新しく、旧道に面した山門と石垣にしか古風な気配は無い。庫裡を訪ねて観世音の所在を問うと、快く応じて頂いた... 本堂より入る。こちらですと促されるままに奥へ向かうと、蔵座敷が繋がっており、一方の壁に観音像がずらり...
 中央は最上の三十三観音、左は西国、右は秩父、思いも寄らぬ百と思しき観世音に暫時感歎。そう云えば万徳寺は東山三十三所の打ち納め、極楽を此処で見つけてあら有難とおがむ順礼... お茶を頂く間に印も授かった。震災の時は先の百観音も転げて落ちるなど大変だったとか... 御詠歌、春の日ののどかに出づる東山 大悲の影を添えて照るらん。山門の六地蔵に会釈。ようやく東通りも、今月で巡り終えそうな気になってきた...
二十八番 智鏡寺 ←《東通り三十三観音 二十九番》→ 三十番 風立寺

2015-11-15

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106