養源寺観音
養源寺観音
 六月二十四日。東根から山形北部を範囲とする東通り三十三観音巡礼を始める。三分の二は初めて参る所でもあり、おおよそ車で移動する事にした... 資料に拠れば明治二十七年、川原子・野川・観音寺・関山の五ヶ寺の住職が発願となって開創。今や衰微しつつも稀に巡拝する人はある様子。百周年の平成六年は、特に善男善女を集めたとか... 朱印は当てにしない。札所にて静かに合掌できれば良として、次へ次へと行くつもり...
 とは思ったが、初手から留守のようで迷った。東通り一番は東根歴代城主の菩提寺である養源寺。市内筆頭の格を誇る大寺が、まさか無住ではあるまいし、しかし今日を含めて三度訪ねて三度とも留守とは... 墓地の隣の畑に翁を見掛けた。尋ねてみると、住職は高齢で数年前から寺に居られなくなったらしい。後継者が目下修行中なのだと... それでも境内は清浄に保たれてある。梅雨と聞かぬうちに紫陽花が咲き揃ってしまうか...
 観音堂は山門を通ってすぐ左。享保年間の建立で、明治に設けられた奥の院とは、御堂後部の蔵部分だろう。扁額は「円通堂」。堂内を窺う余地も無いが、詠歌の奉納額には三十三像拝礼とある... 昭和二年に開かれた東根七観音の一番を兼ね、そちらの資料に拠れば聖観世音であるとかや。東根七観音に関しては後日にゆずる... 御詠歌、有難や養い深き寺なれば 枯れにし枝も花ぞ咲きける。次は花岡の薬師寺に寄り道してから...
      《東通り三十三観音 一番》→ 二番 浄国寺

2015-06-24

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106