落裳観音
落裳観音
長岡観音---寒河江駅---落裳観音
 九月十六日。最上巡礼十日の三つ目。午前の雨なぞ無かったかのように晴れ上がり、そのまま乾かしてしまえと、まだ少し湿った雨具をザックに掛けたまま歩く... 落裳の観世音へは、寒河江駅そばの踏切を越えて、陵南中学校の方へ向かえば良い。丑町観音堂は後日あらためて参る。途中のコンビニや弁当屋にも惑わされず、三〇分足らずで着いてしまった... 小野小町が訪ね、天女の羽衣まで落ちてきたと云う落裳の地。当初の観音堂は少し離れた所にあったらしい。西に長者屋敷と呼ばれる中世期の館跡も残り、最上川を渡る要衝に当たる。今は高速道路が景観を害している他は、閑としたもの...
 除草用バーナーで参道を掃除していたのは、住職であった。参拝の後に朱印を頂き、少し疲れて向拝に腰掛ける。此の巡礼でおにぎりと云えば梅干し、あるいは昆布。一度だけ高菜があったか。精進と決めた訳でも無いのに、自然とそれらしくなる... おにぎりは行動食のひとつ。出発前の朝食はどんなに早くても食べ、歩き出したら行動食で済ます。山歩きとあまり変わらない。食べ物も休憩もこまめに、あんまり頑張らない、予定した分だけ歩き通せることが何より... 龍に乗った観音顕現譚のような絵に心を残しつつ、また今度とつぶやいて老松をくぐる。御詠歌、逆縁ももらさですくふ願なれば 巡礼堂は頼もしきかな。次は平塩熊野神社を経由して、十四番の岡村へ。
十四番 岡村 ←《最上三十三観音 十五番》→ 十六番 長岡

2014-09-18

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106