長登観音
羽前高松駅---新臥竜橋---白岩---長登観音
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雨具菅笠を杖に被せて、向拝の柱に立て掛ける。静かに御堂の扉を開くと、幽かに香の匂いがした。一日の初めの勤行は、今日も道中無事にと願いがひとつ加わる。雨だれの音が少しずつ小さくなってゆく...
下りは「少し楽な山道」を通ってみたが、濡れて滑りやすく、楽な心地はしなかった。膝には楽だったのだろう、と云う事にして鳥居で一礼。すぐ去るものと軽く雨具を羽織ったまま朱印を請うたが、促されて縁側に腰を下ろす...
自家製ヨーグルトを頂きながら話題が幾つも変転する。別当長登氏は六十里越街道の整備に尽力した家であり、当代は街道のガイドもしているとか。以前は鯉が泳いでいた庭の池には、めだかを放しているそうだが、見えなかった...
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かつて観音堂が立っていた故地について尋ねると、案内無しではたどり着けぬような状態らしい。鬱蒼となる前は山形市街も望めたと云う。池のような水場があり、誰に知られるでもなく水芭蕉が多く咲いていたと...
寛政の巡礼記でも、栗や榧の実を獣が喰い散らした跡を踏みながら「人は不行と見へし」と語る。村から往復一里余り。書籍に山奥二〇キロとあるのは単純な誤りで、これでは十分一峠まで達してしまう勢いだが、そのまま引用した本があるのは切ない...
会話しながら実は、掛けられた十句観音経に見惚れていた。経の心が顕れたような書の風、いつまで眺めても厭きない。お陰で靴がすっかり乾いてしまったが、ちょっとのんびりし過ぎた。出来立ての青空の下、ふたたび歩き出す...
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御詠歌、山を分け岸をつたひて長登 花のうてなにいたるなるらん。次は寒河江市街、十六番の長岡へ。
2014-09-16
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TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106