五十沢観音
五十沢観音
袖崎駅---横内---別当喜覚寺---五十沢観音---上五十沢---林道五十沢畑沢線
 八月五日。最上巡礼四日の一つ目。午前七時に別当の喜覚寺に着くものとして袖崎駅を出発。納経所の受付時間は、おおよそ守って歩く。早すぎれば待ち、遅すぎたら諦める... 横内から国道を離れて五十沢に向かう。左右から深林が迫る間、細長い平地は水稲蒼々。心持ち涼しい。朝仕事を終えた人が寄るにつられて、開宝清水を一杯頂く... 少し早く別当に到る。山門の傍らに腰を下ろし、二羽で鳴き合う鴉を目で追うていると、塩梅良く時間が過ぎて行く。朱印は媼が朗らかに応じてくれた... 観音堂は更に南へ。集落が一旦途切れて鳥居あり、御堂まで長い石段を上る。納札がびっしり貼られた扉を開くと、足元でバッタか何かが跳んで出る... 本尊は聖観世音。加賀から逃れてきた金森氏一党が当地に閑居し、守護仏の観音像の為に御堂を建てたのだと云う。別当の喜覚寺も金森氏が開山し受け継いでいる... 御詠歌、ひとはいざ心もしらぬ五十沢の 山のおくにも月はてるらん。次は上五十沢から畑沢へ越えて、二十二番の延沢へ。
 小松沢から五十沢、そして延沢と順に打ってゆく場合、煩わしくても羽州街道(国道十三号)と五十沢観音の間を往復する。自動車では専らこの行程に限られ、狭く蛇行する林道を駆使しても面倒なだけ。二輪者は一考の余地あり... 徒歩なら他に、湯舟沢から七曲峠を越えて上五十沢に入れる。その上で観音堂、喜覚寺と寄って、林道五十沢延沢線を使えば、地図上の無駄は少ない。ただし七曲峠は全くの山道... 今回は穏当に横内から喜覚寺、観音堂の順に訪ねて、上五十沢まで行ってから林道五十沢畑沢線で山を越えた。かやぶき民家を残す上五十沢と畑沢を結んだ古道は、急傾斜で幅も狭いが全線舗装されている。
二十番 小松沢 ←《最上三十三観音 二十一番》→ 二十二番 延沢

2014-08-05

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106