飯田観音堂 2014-06-11
飯田観音堂
 六月十一日。飯田館山の御堂に上る坂道は、舗装されているが細い。今日は初手から自転車を押して歩く。飯田館跡や水路跡の標識が、いつの間にか読めなくなっていた... 資料に拠ると秘仏本尊は金銅の聖観音で、館主の飯田播磨守秘蔵の守護仏だとか。飯田播磨は上杉の出羽侵掠の際、畑谷城の救援に出て討たれた。館も最上氏改易後に棄てられたものの、観世音は留まり、今なお護持されている... 境内の標識に名が見える普門寺は、石行寺末寺として元禄年間から観音別当を務め、明治六年に廃寺となった。いま北東に離れて同名の新寺があるらしいが、関連は知らない... 御堂に掲げられた御詠歌の板は子守正観世音と称す。第二番と云うから堀田十三体観世音講だろうか。はるばるとのぼれば飯田館山の子守のにわにいるぞうれしき... 安政の百万遍供養塔には講中の女子の名がずらりと刻まれてある。鮮明な筆跡に何故かたじろぐ。坂道をもう少しだけ先へ行くと、さりげなく蔵王山碑があった...

2014-06-14

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106