長泉寺観音堂
十月二十三日
松巌寺の南に境内を接する曹洞禅の長泉寺。軒の尾垂木を武張らせた観音堂が、升形川の畔に建っている。
最上札所を歩いた折、庭月から取って返して南新庄への途すがら、金沢橋の上で何気も無しに振り返り、
あれ何れかの御堂があるよと認めたものの、脚にも心にも数歩ばかり戻る余裕とて無く、黙礼に留めて先を急いでしまった。
以来あっさりと十年が過ぎて、ようやく御堂の鐘を打ち聖観世音に掌を合わす。水鳥がはたはたと川面を打つ
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御寺の開山は永禄年間。いずれの資料を引いても、山号にまつわる大亀の話は欠かさない。
元は新庄城址の西の辺りにあったものが、戸沢政盛による築城の際に現在地へと遷されたと云う。
境内が面する県道三十四号金沢通りはそのまま羽州街道で、隣の松巌寺や川向こうの接引寺などと共に、御城下の南の入り口を固める。
随縁赴感を仰ぎ見て唱え奉る新庄札所の第七番、としおいてながきいづみのあふことも ほとけのちかひふかきみなれば
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■山形県新庄市立図書館『郷土資料叢書第二十輯 新庄領内寺社関係文書』1991年
■新庄市『新庄市史 第二巻』1992年
■新庄市『新庄市史 第三巻』1994年
■田口五左衛門原著 常葉金太郎参訂『出羽国最上郡 新庄古老覚書』復刻版1998年(原著享保年中)
■伊藤妙子『新庄地廻り三十三観音・七所明神 巡礼案内』2001年
■新庄市『新庄市史 第二巻』1992年
■新庄市『新庄市史 第三巻』1994年
■田口五左衛門原著 常葉金太郎参訂『出羽国最上郡 新庄古老覚書』復刻版1998年(原著享保年中)
■伊藤妙子『新庄地廻り三十三観音・七所明神 巡礼案内』2001年
2024-12-15
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TOM
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