障子ヶ岳 2021-09-28
やまははこ 小障子 障子ヶ岳頂上 以東岳遠望 障子池 粟畑手前 天狗小屋の外 天狗小屋の内 日の出 雲海 障子ヶ岳 月山遠望 焼岳に月 ぶな落葉松
障子ヶ岳
九月二十八日
障子口 ── 紫ナデ ── 障子ヶ岳 ── 天狗小屋(泊) ── 天狗口
 北に鷹の影二つあり、上から篤と吟味されて紫ナデに着く。これより霞の中。少々の風が枝葉を騒がせても、雲を動かすに及ばず。 紅に黄にと彩を深める尾根の細道。恐々たる断崖の有様は窺い知れぬまま、山頂の標識に触れる ... 初めて此処に立った折、その偶々の眺望に感激し過ぎた。自然美に独り打ちのめされたと云っても良い。 再びは巡り合うまいひと時に、悲しみすら覚えたものを。いずれ老いたる後の得意話にしかならず ...
 二尺ほどの蛇が横切り、足を止めれば障子池。東よりの風に雲が綻び、静かに以東岳が姿を見せる。 およと振り返るも、山頂は相変わらず。雲が隠したいのか山が隠れたいか。連峰の盟主でさえ幾度かは御出座しあるに ... 小屋に着いたら水を汲み、天狗様には賽銭を供える。今宵は微風の他に寄る者も無し。小瓶に瑞典の酒、肴は越南の缶詰。 少し早めに薄日も暮れて、ラヂオを消して横になる。夜陰に角力取り場で何も騒がぬよう ...
 日付け変わって草木も虫も眠り込み、水場の沢音ばかりが淋しく漂う。戸外に出れば下弦の月煌々、天狼の瞬きを宥める。 粟畑にひしゃくの柄が突き立ち、街では気にも留めぬデネブの、尾根の陰に沈みゆくを送る ... 茶を二杯飲んで小屋を発ち、粟畑に登り掛かる手前で日の出となった。雲海の果てに浮かぶ熊野岳。岩礁の様に雁戸点々。 精々標高千三百余、下界は遠く人事は見えず。昨日隠れ通した峻峰は、暢気に陽を浴びていた ...
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2021-10-05

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106