立春 龍山大滝
二月四日
この冬は冷え込み乏しく雪も少なく、大滝の様子を窺う機も度々逸しては気を揉むばかりだった。
今更に寒々とした曇天の下。真新しい雪が谷を薄く覆う。少し風が通ると、樹上から粉雪が降りる
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時折よろけながらも岩間に陥ること無く宝前に至る。氷瀑は小さかったが、とても澄んでいた。
にじり寄る直下。か細い氷が上から上から激しく連なり重なり、封印が解けたら忽ち流れ下ろうとする。不動尊の傍でぽくぽくと雫が響く
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一本杉まで退くと、何処かで鳥が濁点混じりに鳴く。三つほど鳴いて、それきり誰彼の声は無くなった。
大姥神の雪道に人の気配は無い。と云うて行こうとも思わず、堰堤の南側を上がってゆく一寸ほどの足跡を目で辿る
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今年も残す処は十一か月となり、業務僅少にしては頭の中ばかり繁忙の窮地。疾うに雪なぞ無い千歳登拝でさえ侭ならず、さぞ心身に悪果あるべし。
何時の間にか届いていた電文は、三百坊橋に戻るまで読まず
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2020-02-10
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TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106